ねこちゃんの尿の採取方法は大きく3つにわかれます。一つ目は自然にした尿を採取する方法で、一番ねこちゃんに負担なく採取できますが、不純物が混ざってしまう可能性が高いというのがデメリットとなります。ただ、気軽に検査するにはこの方法が良いでしょう。二つ目は尿道にカテーテルを入れて尿を採取する方法です。膀胱に尿が溜まっていれば尿を確実に採取できますが、雑菌を押し込んでしまったり、カテーテルを入れるために鎮静が必要になる場合があるというのがデメリットです。最後は膀胱穿刺です。これはエコーを当てながらお腹に針を刺して尿を採取する方法です。無菌状態で採取できるので尿検査としては一番良い方法ですが、検査の時に動かないようにしなければいけません。
 今回は気軽に尿検査ができる「自宅で自然にした尿を採取する方法」をお伝えいたします。

尿の保存方法

 尿は検査を行うため、液体の状態で採取する必要があります。そのためペットシーツや猫砂にしみ込んだ尿では検査できません。また、新鮮であり、温度が変わって結晶などができていない尿が適していますので、その日に排泄した尿を常温で保管していただき、その日のうちに検査する必要があります。

尿の採取方法

1.トレイで採取する

 猫が排尿姿勢をとったら、トレイ(中性洗剤で洗い、乾かしたもの)を近づけて尿を採取します。
 タイミングが大事で、早めに近づいてしまうと警戒して排尿をやめてしまいます。少し排尿が始まってからトレイを近づけるのが良いと思います。

2.ペットシーツを裏返す

 普通のトイレを利用しているねこちゃんの場合は、この猫砂の上に裏返しにした(裏面は吸収しないタイプ)ペットシーツを広げます。
 そして、その上で尿を排泄するまで待ちます。
 排尿をしたら、スポイトや注射器でその尿のなるべく真ん中あたりを採取します。排泄後ねこちゃんは猫砂をひっかくようにペットシーツをひっかくので、排泄したらすぐに採取する必要があります。

3.システムトイレを利用する

 システムトイレとは上の段に猫砂を入れ、網目を通り抜けた下側にペットシーツなどを入れるようなトイレになります。
 このトイレを使用している場合は、下の段に裏返ししたペットシーツを入れ、上の段の猫砂を少な目、もしくは猫砂の無い状態にします。
 尿を排泄したらペットシーツに溜まっている尿のなるべく真ん中あたりをスポイトや注射器で採取します。

尿の採取容器

 尿を保存する容器は綺麗で、液体を吸収しないものであればなんでも問題ありません。お弁当に使用するお醤油さしが便利です。
 事前に病院にいらっしゃっている方には、尿の採取容器をお渡しすることもできます。簡単な検査なら2ml、尿タンパクなどの検査であれば5ml以上が必要となります。